《体験談》パニック障害は自力で治せる?効果的な心理ケアを紹介します
今日のテーマは「ストレスとパニック障害」についてです。
(↓)インスタドラマで、A田ふら子さんが仕事のストレスからパニック障害と診断されましたね。
実は私も20代でパニック障害を発症し、約2年間悩まされた経験があります。
「一度パニック障害になったら治らないんじゃないか・・・」
「今は薬で抑えられているけど一生飲み続けなければいけないのだろうか・・・」
そんな風に不安に思われる方もいらっしゃるかと思います。でも安心してください。パニック障害は治ります。病院でも完治している方もいます。
私は、今思えば、パニック障害だったんだなという症状だったのですが、病院にもいかず、完治しています。パニック発作を起こさなくなってから、その後40年間、発作は起きていません。
でも、誤解しないでほしいのは、だからと言って、自力で直すことは絶対におすすめしません。
ただ、パニック障害の治療を受けている方に、私がどんなふうによくなったかを紹介することで、自分の心の見つめ方について参考になると思います。
私の心の変化を紹介することで、どのようにパニック発作と向き合ったら楽になるのかの一助となればと思います。
そこで今回は
- 私、パニック障害かもしれない・・・
- 心理学的な見方も取り入れて、病院での治療にいかしたい。
- 一生パニック障害に悩まされるかもと不安
といった方に向けて《私がパニック障害と向き合った方法》をお伝えします。
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目次
パニック障害って何?症状や原因について
パニック障害とは、動悸、めまい、吐き気、窒息感、手足の震えなど様々な症状が突発的に起きる病気です。
原因は、ストレスと関係しているのは確かですが、ストレスでうつ病になる方もいるし、さまざまな身体的不調としてあらわれる方もいるので、このような人がなると特定することはできません。
体の検査をしても異常がなく、パニック障害で死ぬことはありません。
「苦しいのに周りも理解されない」「自分でさえもなぜこうなるのか理解できない」と生きづらさを感じることが多いです。
参照:パニック障害・不安障害|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_panic.html
本人は苦しんでいるのに体の異常がないため、周りから「心が弱い人だ」とか「気を引くためにやっているんじゃないか」などと思われることもあります。
自分でもなぜそういう状態になるのかわからないので、自分自身を「弱い人間だ」とか「情けない」など責めてしまったり、「そんなにメンタル弱くないはずなのに、なんでこんなことになったのか」と思うあまり、母の育て方が悪かったとか「あのいやなやつのせいだ」とか、周りだけを責めるということもあります。
いずれにしても、そのような方法でよくなることはなく、さらに悪化していきます。
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【体験談】20代半ばで初めてのパニック障害…初期症状は息苦しさだった
私に初めてパニック症状が起きたのが20代半ばを過ぎた頃でした。
家で過ごしているときに突然、
- 身体全体が硬直する
- 喉がしめつけられて息ができなくなる
という発作が起きました。
急に息ができなくなる、というより少しずつ呼吸が苦しくなる症状で、本当に苦しかったです。
当時は「パニック障害」はあまり知られてなかったので、自分の身に何が起きているのか全く分かりませんでした。
発作の頻度は不規則
一度発作が起きてから数週間の期間が空くこともあれば、立て続けに3回連続で発作が起きることもあり、発作のタイミングは不規則でした。
発作が起きた時は、体が固まって息ができなくなり、「このまま私は窒息して死ぬんだろうか」と思うほど苦しかったです。
あまりにも辛くて、発作の途中で「こんなに苦しいなら、もうこのまま死んでもいい」と思ったことを覚えています。
当時はインターネットも携帯電話もなかったので、自分に何が起きているのか知ることができず、ただただ恐ろしかったです。
でも、そうして何度も発作を繰り返すうちに、あるとき「私には発作が起きるパターンがある」と気づきました。
私の発作パターンは家にいるときだけ?
パニック障害の発作は「緊張感が高まるときや嫌なことがあったときに起こす」というのをドラマなどでよく見ることが多いかもしれません。
たしかにそういう方もいます。
しかし私の発作パターンは、いつも家でくつろいでいるときでした。
しかも、家でリラックスしながらアルコールを1、2口飲んだ時に発作が起きました。
酔っ払ったからでもなく嫌なことがあったからでもありません。
当時は毎回家の中だけで発作が起きたのですが、「外で発作が起きたらどうなるのだろう」と不安でいっぱいでした。
でもそんな状態だったのに、私は病院には行きませんでした。
なぜなら、
- そもそもパニック障害を知らず、精神科に行くような状態なのかも分からなかった
- 発作が治まると普通に生活できるので病院でどう伝えたらいいか分からなかった
からです。
薬なしで治す方法をあえて言うなら…自分を俯瞰すること
だんだん発作について、一回発作が起こったら、しばらくは大丈夫なんだろうかと思ったりもしましたが、その予測は、見事にはずれて2日後くらいに起きたりしました。
この予測がはずれたあたりから、逆にこの発作はなんなのだろうと考えるようになりました。
気持ちの面でも、最初は死ぬんじゃないかと思っていたくらい恐ろしかったのに、だんだんと恐ろしくないんだなと思えると同時に、発作が収まった後、なんだか身体だけでなく気持ちも力が抜けるような不思議な感じがありました。
発作なので、苦しいし、身体も痛いし、息もできないし、不快な気持ちに包み込まれるのは変わりないんです。それなのに、おさまった後に、またがんばれるような… なんだか不思議な感じでした。先にも述べたように、発作の後、しばらく大丈夫でもなかったわけなのにです。
それからの私は、発作が起こっている自分がどうなっているのか見てみよう、そしてこの正体を知ってやろうという気になりました。
身体の病気ではないようだし、ストレスと何か関係があるに違いないとは思いました。普通なら、ストレスと関係があると思えば、何がストレスになっているのかをちゃんと考えようとするように思います。
ストレスを与えている問題を解決しようとか、休養を取るようなことをしようとか睡眠をとろうとか、そういうことを考えるのではないでしょうか。
それがその時の私は、そのことにおもいをめぐらせずに、ただ、ひたすら発作の時の自分をみてみようと思っていました。
どこまで苦しいんだろうか、発作を起こしている時の身体はどうなっているんだろうか、何分くらい続くんだろうか、こんな観察の仕方です。
こんな風に自分を観察することができるようになってから、発作を起こす感覚が少し広がってきました。コンスタントではなく、調子いいなと思っても、週に2回あったりする時もあったのですが、それでもその後の間隔があくようになりました。
ただただ恐れていた発作だったのに、この発作って私を救っているのかもしれないという妙な安心感みたいなものもうまれてきたように思います。
そして、この発作がなかったら、私の心は本当に壊れていたのかもしれないと思うと、発作を敵にしなくなりました。
そのあとは、いつなくなったのかはっきり覚えてなく、いつのまにか全く発作は起きなくなりました。でも、しばらくして、こんな風に治るんだなと実感したのを覚えています。
自力で治すのはかなり大変…だから病院やカウンセリングに頼ってほしい
とこのように薬なしで自力でパニック障害を抑えた私ですが・・・今の私は、パニック障害と思われる方が、自力で直そうということはお勧めできません。
「俯瞰する」ということが自分を取り戻すうえで、とても役に立ったし大事なことだったというのは言うまでもありません。それが私を心理学の道へと背中を押した経験であったことも間違いありません。
ただ、パニック障害は長引かせないほうがいいし、あの頃の私に会ったら、今、知っている方法を教えたい気持ちでいっぱいです。
病院でカウンセリングを行っている私から見ると、自力で直そうとがんばって、どんどん悪化してさせてしまう方が多いと思います。
パニック障害が治った後でも、激しい胃の痛みに定期的に襲われていて、急性胃炎、慢性胃炎、頭痛と身体不調はありました。それが完治したのは、身体からの心理的アプローチである臨床動作法に出会ってからです。
また、さらにその後、薬は何で効くのだろうと思ったことから、脳内伝達物質のは何からできているかを勉強し始めました。そして食生活と栄養と心のつながりを考えていくようになり、実践したところ、自分の性格と思っていたことまでもが改善するに至っています。
心の不調には、考え方を変えるという認知的な方法だけでなく、さまざまな方法があります。スポットに陥る一番の危険は、『一人になる』『一人で乗り切る』を突っ走ることです。また、『手ごたえのないことを半年もやってますますつらくなる』です。
気軽に相談してほしいと思います。